ある夏の日の事、キリギリスは楽しそうにバイオリンを弾き、歌を歌って過ごしていました。
キリギリスは、自分は楽しく過ごしているのに、遊ばないでせっせと働いているアリを不思議に思いました。
そこでキリギリスはアリに尋ねました。
「アリ君は何故、働いてばかりいて遊ばないの?」
アリは言いました。
「今のうちに働いて食料を蓄えなければ、冬に食べ物が無くなってしまうからその時に困るんだよ」
キリギリスは馬鹿にしたように言いました。「そんな事言ってたら何時楽しむんだい?そんなことは冬になってから考えればいいんだよ」
そして夏が終り、秋になりました。
それでもキリギリスは遊んで暮らしています。
そしてとうとう冬が来ます。
アリの言った通り食料は無くなり、キリギリスはとてもお腹が空いてしまいました。
キリギリスは「何処かに食べ物があるはずだ」
しかし、辺りをくまなく探すものの、周りには食べ物はありません。
「どうしよう?」
キリギリスは困り果てました。
「そう言えば、アリ君達は食べ物を集めていたな」
キリギリスはアリ達が食料を集めていたことを思い出しました。
「アリ君の所へ行ってみよう」
もしかしたら何か食べ物を分けてもらえるかもと、アリ達の家を訪ねました。
「アリ君、何か食べ物があったら分けてくれない?」
キリギリスは食料を分けてほしいとアリに頼みました。アリは答えました。