最後のバージョンの「もう歌うべき歌はすべて歌ったよ。じゃあ、君は僕の亡骸を食べて生き延びればいいよ」これは、元の話が「アリとセミ」だったからのようです。それがイギリスに伝わった時、イギリスの方達にとってはセミはあまり重要視されない虫だったようで、キリギリスが取って代わったようです。
この理由は言語体系の違いからくるもので、日本のように「蝉の声」とセミ自体を認識することなく、雑音として認識すること、更にイギリスのセミは小さく目立たないという特徴、生息域も限られている等もあって、重要視されない虫だったからのようです。ちなみに東欧ではキリギリスがコオロギ、ロシアではアリがトンボになっていることが多いようです。元がセミなら、「もう歌うべき歌はすべて歌ったよ。じゃあ、君は僕の亡骸を食べて生き延びればいいよ」とキリギリスが言った言葉も腑に落ちますよね。
このラストのパターンでは「人生楽しむだけ楽しんだんだから、後は食われて餌になっても仕方ない」みたいな潔さも感じられます。生き方としての良し悪しは解りませんが、この潔さは私は好きです。(笑)