私の仕事はボディーセラピーです。初めのうちは「身体のケアなのになんで心理が必要?」なんて思っちゃう方もまだまだいました。いや、今でもいます。(笑)
肩こり、腰痛、各種の痛みの緩和なので、生理学的な知識なら必要かも知れないが、「なんで心?」なんて思われてもいます(笑)
さすがに私のお客様はご紹介が多いので、理解して下さってる方のほうが多いと思いますが、それも解りません(笑)
「心は心、身体は身体、それぞれの肩書のある専門家に見てもらう」、当たり前の考えで、勿論正解でしょう。
しかし、長年こういった仕事をしていれば自然に理解できてくるのですが、身体は身体の知識や経験技術、心は心の知識や経験や技術があればいいなんて単純にいかない場合が多くあります。人の心と身体は互いに影響し合ってます。
例えば抑うつなどで悩まれている方達は、身体の筋肉が緊張して取れない状態の方がほとんどです。
特に肩胛骨周りの深い筋肉に緊張が見られます。表面の筋肉ならマッサージなどで一時的に解れるのでよいのですが、深い筋肉にはなかなかアプローチ出来ないと思います。できても一時的に解しただけでは根本的な解決にはなりません。
当たり前のことなんで少し考えれば解りますが、人は不安、恐れ、悩みがあれば当然それが身体にも現われてしまいます。
筋肉が緊張し、神経を圧迫すれば痛みも出ます。自律神経の交感神経が常に優位で、副交感神経があまり活性化されていなければ、当然内分泌系や免疫系に影響を与え、感染症や細胞のガン化、だるさ、不眠、臓器の異常、それこそ色々な病気が生み出されていくかもしれません。
身体の痛みや緊張が取れずに心の不安や恐れをどうやって取るのでしょうか?
心の不安や恐れ、悩みが根本原因でも、それを見ないで病気や身体の異常を一時的に治しても、またどこかに異常が出てくるのでは?
という事で、前書きが長くなりましたが前回の続きです。
他の動物でも怪我や病気になれば「痛い」「辛い」「苦しい」と思うでしょう。
前回も書きましたが、これらは事実です。困ったことに、人は病気になって「痛い」「辛い」「苦しい」の事実から想像上の苦しみを勝手にどんどん生み出していきます。
「このまま治らないならどうしよう」「仕事、勉強が遅れてしまう、どうしよう」「このまま職がなくなったら」「家族にこれ以上迷惑かけたら」・・色々生み出して物語を作っていきます。すると身体の方も痛みが増したり辛さが増したりしてしまうでしょう。
更にうつや不安が大きい人、常に悩み事が多い人などは、他人の物語まで自分に結び付け考えてしまう特徴があります。
例えば「友達がケンカしていた」。それを見て「えっ、この前、私が話したことでケンカしてるんじゃないの?」
「だって、あの二人仲がいいのにあんなケンカするなんて・・」「やはり私が原因でケンカしてるんだ、どうしよう」
コントロールできない他人の物語にまで自分を登場させて、新しい「不安物語」をどんどん作り上げていきます。
そんな動物は多分人間だけでしょうね。しかし、生物が生き残っていく過程において不安を感じる、恐怖を感じる、それは生きる上でとても大切なものです。それがあったからこそ生き物は現在まで命を繋げてこれました。
ですから恐怖や不安を感じる事、それ自体は決して悪いものではないのです。
問題はそこから生まれてしまう「自動的に生まれてくる想像的な思考」です。
まずはそれに意識を向けてみます。何時も同じ気持ちや同じ考え、同じ感情に振り回されていないか?
ここに気づく事が次のステップだと思います。