善悪について前回書いたので、別な視点で善悪を考えてみようと思います。人の善とか悪って何なのかを。

実験自体の真偽は別として、ミルグラムの実験やスタンフォード監獄実験など、多くの実験で、人は権威や権力で「悪」「冷酷」「無慈悲」になり得ることはよく知られています。
しかし、これらの実験をするような特殊な場所や状況でなくとも、日常にある「人の集まるところ」では誰もが「悪」になり得る危険性がある事を少し書いていこうと思います。

ここでは「没個性化」と「非人間化」という概念を用いて簡単に説明していきますね。
まず、没個性化とは、集団の中に自分を紛れ込ませることで、自分を個人として捉えられなくなり、一人では決して行わないような行動を、集団でいるときにはとれてしまうことを言います。

つい最近でも、海外で起きたデモに参加する人達の行き過ぎた行為もありました。建物のガラスを割ったり、壊したり、焼いたり、略奪したりするような過激な行動をする人もいました。これらの行き過ぎた行動は「集団の一体感がある」「自分は特定されない」「生理的に興奮している」などで起こることが解っています。

日本でも昔から若者達が集団でいる時に、通常では考えられない反社会的な行為などに走ってしまう事がよくありますよね。