「そうかい。あんたが見てないなら、こっちじゃないのかもしれないなぁ。」
「どこに行きやがったんだ? 向こうの方を探してみるか。」

猟師は木こりが小屋を指差していることに気付かず、立ち去っていきました。
木こりは独り言を呟きながら、キツネのいる小屋にやってきました。

「うーむ。教えてやった・・のに・・・」

木こりは小屋の前まで来ると、キツネに声を掛けました。

「おーい、もう猟師は行っちまったぞ。」

キツネは小屋から出てきて、木こりの顔も見ずに立ち去ろうとしました。