昔々、あるところに、粉屋を営んでいる男とその男のまだ小さな息子がいました。
粉屋の父と小さな息子はある町へロバを売りに出かけて行きました。
親子がロバを引いて歩いて町に行く途中、ある村に着きました。
しばらく行くと村の人であろう若者達が集まっているのが見えてきます。
若者達に親子が近づくと、何やらこちらを見て話をしています。
「おいおい、あれ見なよ。あのロバを引いてる親子だよ」
「ありゃ馬鹿だね。ロバがいるのに、自分たちで荷物を背負ってるよ」
「ロバに楽させて自分たちが苦労してやがる」