それを聞いた男は思いました。
「確かに、そう言われてみればそうだな」と。
そして荷物をロバに乗せて、親子は町へ向かって歩き出しました。
しばらく行くと、村の人であろう中年男女が集まっているのが見えてきます。
中年男女に親子が近づくと、何やらこちらを見て話をしています。
女「ほら、あそこにいる親子を見てごらんなさい」
男「あれはダメだな。あんなに重たい荷物をロバに載せたらロバがバテちゃうぞ」
「あんな重たい荷物を載せるくらいなら、小さな子供を乗せなくちゃいけないな」
それを聞いた男は思いました。
「確かに、そう言われてみればそうだな」と。
今度は荷物の代わりに子供をロバに乗せて、親子は町へ向かって歩き出しました。
しばらく行くと、村の人であろうお年寄り達が集まっているのが見えてきます。
お年寄り達に親子が近づくと、何やらこちらを見て話をしています。
「ありゃ何だ?あれを見てみなよ。若い子供がロバに乗り、年長者の親が歩いてやがる」
「子供が楽して親父が苦労かい。甘やかしてるな。若いうちは歩かせて身体鍛えないといけないよな」
男は「確かに、そう言われてみればそうだな」と、今度は子供の代わりに自分がロバに乗り、親子は町へ向かって歩き出しました。